第13話

「あっ… そんな、危ないですよ??

 彼らを刺激しちゃ…!」



教室に1歩踏み込んだ足を戻し、

泉水は竹宮の耳元に口を近づけた。



『ご心配なく、竹宮センセイ

 私、こう見えて空手有段者ですから』

 ボソッ



「は… はぁ…」 ゴク…ッ!



竹宮タケミヤ タケル 33才、独身。

山彦殿高校の数学教師。


突然現れた来訪者に耳元で囁かれ、

耳に当たった吐息が 全男性ホルモンを

フルで分泌させてしまった。



(只今、顔面から耳から、

 つま先に至るまで

 まっかっか であります!


 男子校に赴任して5年、

 もう、女性に対する免疫は

 1ミクロンもありませんので!


 女性って…こんなにも甘い匂いが

 するものなんでしたっけ??


 空手の有段者?


 黒帯、締めて差し上げたい…

 この手で 是非ッッ!  


 竹宮汁、ぶっしゃー〜〜〜!!)

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