(5月 -お出かけ-)

第35話

織原

「なんかアンタ、最近楽しそうね?」


射沙波

「お、おぅ・・・

     まぁな」


放課後―――――…



駅からバスで15分くらいのところに

俺の城はあるのだが…

幼なじみは隣に住んでいるので

よくばったり遭遇する



「「・・・あの・・・さ・・・」」



「「 !! 」」



射沙波

「何か言いかけた??」


織原

「あ、うん アンタも?」


射沙波

「イヤ・・・

    俺はたいしたことじゃねーから


    (モエカ 恋羽ちゃんと仲いいから、

    俺のことどう思ってるかとか、

    聞きたかったけど

    やっぱ聞きずれーな・・・!) 」



織原

「あ、そう?


   アタシはね・・・」



イザナミは思う…

ちょっと脳内の海馬さんを小突いてみると

過去、コイツが改まるトキってーのは

無理難題を言い出すトキだったよーな…と





織原

「今度の日曜なんだけどさ、

   見たい映画があったんだけど

   だれも行ってくれる人が

   いなくて・・・


   ・・・ちなみにアンタはヒマ?」



射沙波

「 (なーーーんだ! 

    そんなことか!!


     これなら、

     何かの拍子に恋羽ちゃんのこと

     聞けるかも!!

     俺って策士~~~~!!)


     おぅ・・・行ってみるか?


     映画なんて何年も見てねーし、

     丁度いいかもな」



織原

「本当~~~!?

   やったぁぁ!!!


   じゃぁ、日曜絶対 開けといてね??

   約束したからね??? じゃね!」



射沙波

「お・・・おう・・・


    ・・・じゃぁな・・・」




射沙波の城、 その脇の居城に

すっと消えていくモエカ




(・・・別れ際に見せたカオ・・・



 コイツって こんなカワイ…



 イヤイヤイヤ、

 あんなメスゴリラがそんなワケあるか!)

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