第1章. 恋のはじまり

第2話

3月は別れの季節

伏せた瞳の数だけ涙がぽろり

風は北に向かって吹いている



暖かい風が運んでくるのは新しい出会いか

それとも 運命的な出会いか

合縁奇縁あいえんきえん 誰知らず

4月は出会いの季節




駅の北口から徒歩10分、

”ハナ学”こと 私立 花詩はなうた学園高校は

今年で創立100年を迎える伝統校




「平和すぎてつまんねーなー

 誰か喧嘩でも売ってこねーかなー?」


「どーでもいーけど、オレは巻き込むなよ?

 高校じゃ平穏に過ごしてーんだから」





あおい眼をした男、

射沙波いざなみ 結楽ゆら

高校1年 B型H系男子


中学ではそこそこ名の知れた悪男ワルオ

謹慎の数は近所のコンビニよりも多い

喧嘩は59戦58勝1敗

・・・ただこの「1」は本人曰く

 不可抗力らしい





薄紫うすむらさき色の眼をした男、

姫崎ひめさき 瑞彩みずいろ

高校1年 AB型クール系男子


射沙波とは中学で知り合い 

以降は相棒となる

落ち着いて見えるがキレると怖い

喧嘩は49戦49勝 自分から売ったことはない

ちなみに謹慎した数はゼロ





「オハヨ

 二人とも何組だった?」





二人に声をかけてきた胡桃くるみ色の眼、

織原オリハラ 萌歌モエカ

高校1年 A型サバサバ系女子


過去に射沙波の股間を蹴り上げて

失神させた経験あり

これが知る人ぞ知る「イザナミの1」


射沙波とは幼稚園からの幼なじみで

高校まで一緒とは腐れ縁以外の

何物でもないと思っている


ちなみに自称Cカップ

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