第39話

6月になった―――――…




これから雨が多くなると思うと

チョットうっとおしい季節


イザナミはというと、ここ最近

寝付きが良くない様子


あのときの光景が浮かんできては

全身の体温を上げてしまい

胸のあたりがモヤモヤ悶々するからだ





射沙波

一昨日オトトイは大変な目にあったぜ…」



姫崎

「おととい? 

   またケンカでも

   ふっかけられたとか?」



射沙波

「イヤ、

   そーゆーんじゃねぇんだけどよ…

   

   とんでもねー店に

   入っちまって・・・」




このとき、

イザナミは本当に知らなかった



"コイツ

当たり前のように近くに居るからよ…

コイツが そんな風に思っていたなんて、

夢にも―――――…"  …と




姫崎

「店って?」



射沙波

「あぁ、

    ありゃ 相当なヤリ手だぜ・・・


    ・・・おかげで、

    大事な何かを無くしちまった

    みてーだわ」





――――――――――――――――――――…



 (コイツとは、中学の時に知り合った…



  売られた喧嘩は全部買う俺と、

  理由のない喧嘩はしないコイツ



  物覚えの悪い俺だが、

  コイツとのきっかけはよく覚えている



  中1の時に3年に呼び出され、

  一人で校舎裏まで出向いた時に


  一人でカッコよくキメてやンかと

  息巻いて向かってたら、


  俺の行き先とは別方向だったが 

  何やらモメてんな 

  …というわかりやすい絵が

  視界に飛び込んできた


  俺の野生の勘がうずいたからか

  少し寄り道して見物することにした) 


――――――――――――――――――――…


3年A

「テメーがヒメサキだな?


  1年ワンねんのクセに

   一人できたのはホメてやるがよ・・・


   テメー、 チョーシ乗ってんのは

   気にいらねーな?」



姫崎

「チョーシ? 

   別にのってないっすよ?

   ただ、平穏に過ごしてる学生捕まえて

   ちょっかい出してきてるのは

   そっちっすよね?」



3年A

「その態度だよ・・・


   それが気にいらねーって

   いってんだよ? 


        あぁ??」



3年B

「オイオイ…

   あんまし 安藤さん怒らすなよ?


   無事に中学生活送りてーんだよな?

   1年ワンねんボーズ」



姫崎

「まぁ・・・ 

   フツーにベンキョーして、

   フツーにサッカーして

   すごせりゃ、

   オレはモンダイねーっすよ


   つーか、そのワンねん ってヤツ、

   流行ってんすか?」

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