第45話

「っぷ!ギャハハハハハ!」



女教師が去った後、吹き出した心汰の笑い声が教室に響いた。



「大変やな~モテ男!約束したんやからしっかり相手したれよー椿希。まぁ、お前に女の相手が出来るんやったらやけどな~。」


「うるさいよ。あの女は清蘭の理事長の愛人だ。使えそうなものは残しておくに越したことはないだろ。あ、一応言っとくけど、童貞純情少年の心汰よりかは女の子喜ばせる自信あるから。」



そう言って椿希がからかうような笑みを浮かべると、ヒーヒーとお腹を抱えて笑っていた心汰の目がぱちくりと游いだ。



「だ!誰が童貞やねん!お、俺だって100や200の女抱いてきてるっちゅうねん!」



しかし、そんな心汰に向けられたのはやはり椿希の哀れみの目だった。



「せやから、哀れみの目で見るな言うてるやろー!!」



心汰の叫びは椿希には届くことはなく、あっさりと話題は戻された。



「まず、清蘭は"杉崎組"と繋がってる。」


「はぁ?!杉崎?これまた面倒なところと組んだもんやな。」



頭をガシガシと掻きむしりながら、心汰は大きな溜め息を吐いた。



「ん?ちょお待て、それがあいつとどう関係あんねん。単に学校と杉崎が組んでるだけやないんか?」


「それが、大いに関係あるんだよ。」


「どういう事や。」



眉間に皺を寄せる心汰。



「清蘭と杉崎を繋げたのは、..."芦田勇介"だ。芦田は10年前から杉崎組と繋がってる。」

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