ルキの世界(吸血鬼の世界)

第75話

吸血鬼の世界



この世界は日照時間が短い



それ以外は豊かな自然と経済発展により人々が暮らしやすい世界となっている



血を飲み生きる彼らは身体能力も高く容姿も美しい…



王族は特にそれが顕著に現れる


そして、魔法も使えたりする







「ルキよ、また逃げ回っていたのか…

貴族の女達がルキの事を探していたぞ。」


第1王子のリーズが言う。


「うーん…困ったな。

貴族の女様を相手にするのは疲れるんだよな…。」


「なら、俺と戦うか!?」


第2王子のガイスが言う。


「嫌だよ。

ガイスと戦ったら、生傷絶えないし。」


「はっ!!この臆病者め!」


「熱血すぎて付き合いきれない…じゃあね!」



城から出ると、誰も居ない秘密の場所に来た。




「毎日、パーティーに貴族の女を相手にするのは疲れるな…。」



ルキの母親はルキが15歳を過ぎる頃、病で亡くなった



国王様は王子達に早く結婚して、跡継ぎを産んで欲しいと願っていた



これは、王族を安定させるため



国を発展させるためでもあった



ルキに良い后を見つけようと、国王様が毎夜、ルキをパーティーに連れ出していた。



貴族の女達は似たようなドレスを身にまとい、似たような化粧顔で愛想笑いをする。


王族に擦り寄ろうと、貼り付けた笑顔と猫撫で声で寄ってくる。


その光景に飽き飽きしていた。



「王子って自由があまりないよな…」



ルキは空に手を伸ばす。




いつか、自分が心から好きになれる人が見つかるかな?



「全く、この年にもなって俺は何を言っているんだ…」



自分が馬鹿らしくなって苦笑する。



この世界で俺は籠の鳥だな…

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