第74話

「真緒…泣かないで。」




ルキの綺麗な指がそっと真緒の涙を拭う。





離れられない…



触れる指が優しくて安心してしまう…



抱きしめられると、もっとこの人と居たいと心がいう




いつの間にか、私はルキに夢中になっていた




惑わして…私の心に入り込んでくる




頭では駄目だと思っていても



心は正反対に




好きと言う






ルキに好きと言われる前から




不思議な男、ルキに心を奪われていた。





「私とルキは違う世界に住んでるんだよ?」



「分かってる…でも、真緒が好き。」


「吸血鬼と人間だよ?」


「関係ない。

俺は真緒が好きなんだから。」


「いつか、ルキは吸血鬼の世界に帰ってしまうんだよ?」


「そうだね…」


「辛いよ…

でも、好き…ルキのことが…

離れていってほしくない。」


「そうだね。

俺も真緒と離れたくない…」




視線がぶつかる


お互いの気持が昂っているのが分かった。


自然と顔が近づいていき、お互いの唇が重なる。






どうしたら良いかわからない…



いまは、行き場のないこの気持ちをお互いに感じていた…

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