第61話

3人でエレベーターに乗る。



エレベーターはガラス張りになっており、外の景色が楽しめる。



どんどんエレベーターは上昇していき、階は52階に停まる。



景色が凄い…あれは富慈山

こんな景色見たこと無い。

立地が良すぎる…

高級ホテルって凄い…



真緒は自分が一般的で平凡な世界に居たことを痛感する。


お金持ちの世界は分からない…



「あれ…

佐藤さんは高所恐怖症だった?」


亀田が心配するようように声をかける。



しまった…


お金持ちの世界に圧倒されて、顔が強張っていた?



「いえ…亜衣様に会う事に緊張して…少し気分が…」



慌てて、顔を手で隠す。



「まあ、緊張しますよね。

大丈夫。亜衣様はお金持ちには優しいから。」



「へー、それは良かった。」



ルキは不敵に笑う。


何か企んでいる感じの表情だ。


「さあさあ、行きましょう。」



亀田は腰を低くして、先頭を行き、部屋までの道を案内する。


まるで、VIPのような接客をされているようだ。




「お金持ちの世界って、分からない…。」


「そう?この世界では常識と思った。」


「セレブ達はこんなの当たり前かもしれないけど、私は一般的な凡人だし…。」


「まあ、慣れるよ。」


「ルキは余裕だね。」


「王族だし…こんな扱い、日常茶飯事だしね。」


「そうだった。

頑張って慣れます。」


「うん、真緒の前向きな感じ、好きかも。」


「え……?」


「そのまま言った通りだけど。」


「あ…そうなんだ…。」



リアクションに困る…


これはルキの演技かな?




ちらっとルキの顔を見ると、無邪気な笑みを浮かべていた。


あ…この表情は素に近いかも。




本心…?










だったら、嬉しいな…

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