81話目

莉蘭は玄関に行くと、ドアを開けた。



「莉蘭、こんばんは」


笑顔の凉太が居た。



「凉ちゃん、いらっしゃい。

どうぞ、入って」


凉太は靴を脱ごうとすると、おかしい事に気づく。



「うん、あれ?

誰か来てるの…?」


「そう、来てるよ」


さらりと答える。


「え?

あ、友達…?」


「こんばんは」


「あ…あなたは莉蘭の元バイト先のオーナーじゃないですか!」


「そう、ケイさん。

私、カフェに忘れ物をしちゃってたみたいで、

わざわざ届けて貰ったついでに、お茶をしてたの」


「そうなのよぉ。

長居しちゃってごめんなさいねぇ」


「いいんですよ、じゃあ、またお店に行きますね…」


「ええ、待ってるわね」


ケイは手を振ると、玄関から出ていった。


「さ、凉ちゃん上がって」


「ああ、お邪魔します」



莉蘭は一番先頭を歩く



「……………」


凉太は睨みつけるように玄関のドアを見た。


「凉ちゃん、どうしたの?」


「あ、ごめん!

なんとなく気になってさ」


「え!?なにが?」


「ケイさんがー…」


凉太は笑顔だった。


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