第59話

「ああ、食べ物のメニュー表を見てた」


「え、お腹空いたの!?」


「違うよ、暇だから見てただけ」


「そっか、待たせてごめんね」


「ううん…それよりさ、莉蘭ってスッピン可愛いね」


「へ?」


凉太は莉蘭の頬に触れた。


ドキッと莉蘭の胸が高鳴る。


「目がまんまる大きくて、僕をまっすぐ見てくれる。

それに、少し小さな…赤い唇…」


ごつごつとした指が莉蘭の唇に触れた。



「ねえ、莉蘭」


「ん?」


「今の莉蘭は誰にも見せたくないな。

僕だけのもの…好きだよ」


「凉ちゃん、私も…好き」


凉太はそっと莉蘭にキスをした。


「…ベッド行こうか」


凉太の言葉に莉蘭は頷いた。




ベッドの上で向かい合わせになり、見つめ合った。



今度は大丈夫。


ゆっくりとバスローブが脱がされた。


「…莉蘭…綺麗だね」


「…そ…かな…?」


「華奢で、力一杯、抱きしめたら折れそうだね」


「凉ちゃんだけは、

いっぱい抱きしめてもいいんだよ?」


「ふっ、そうなんだ。

僕だけが出来るんだね」


そう言って、フワリと莉蘭を抱きしめた。

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