第55話

「どうしたの?」


「莉蘭が良ければなんだけどさ…

ホテルに行かないかな?」


「えー……

えっ⁉︎」


凉太の顔を見ると、恥ずかしそうに目を伏せていた。



「嫌だったら…いいんだ」


「いっ、いこ、凉ちゃん!

私は大丈夫だよ」


莉蘭は慌てて凉太の手を握る。


「そっか…うん、じゃあ、行こうか」


「うん!」



凉太はほっと安心したように胸を撫で下ろしていた。


その様子を莉蘭は嬉しそうに見ていた。


ファミレスでの食事を終え、タクシーを拾って、HOTEL街に来た。



前回はどんよりと微妙な雰囲気で帰ったが、今日は違った。

凉太から嫌な雰囲気は感じなかった。



とあるHOTELの出入り口の前で、2人足を止めた。

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