第69話

暫く歩き…


「もうすぐ夏だな。」


「はい、そうですねー。」


「毎年夏休みは避暑地にある、別荘に行くんだ。」


「へぇ、そうなんですね!」


「お前も来ないか?」


「へー、えっ‼︎⁉︎」


「もっ、勿論、一宮兄妹も一緒だ。」


聖城は焦った様に訂正し直した。


「あっ、ああ!そうなんですね!」


「一宮と俺の家が所有している別荘が隣同士なんだ。

だから、夏はお互いの別荘を行き来したりしているんだ。」


「わぁ…凄い…。」


「毎年、一宮の運転で別荘に行くんだが、どうだ?」


「私が一緒に行っても良いんですか?」


「あっ、ああ!

それに、一宮のアトリエもあるし、絵咲さんにもいい環境だと思う。」


「そっ、そういうことなら、行かせてください!」


「そうか、一宮に言っておく。」


聖城は少し口元を上げ、ご機嫌な様子で逸らし顔をした。


「宜しくお願いします。」


今年の夏休みは楽しめそう!

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