第50話

昼休みー



やることがあった。



それは、ヤツの情報を集めることだ。




新聞部の部室内ー



充はノックもせずに入る。



「おい、新生手毬はいるか?」


「ー…奥かな?」


汚い身なりをした部員が返答する。


「っありがとう…」


引き気味にお礼を言う。



ここはなぜ、こんなにも汚い身なりをした奴らが多いんだ!?



部員たちは机に向かって必死に原稿を作っている。



ここは、将来のマスコミを目指す部員たちが活動していた。




紙などが散らかった汚い部室内を見渡しながらウロウロする。




「手毬!!」


「ほいほーい」


のんきな声が奥から聞こえてきた。



奥に行けば、5台のパソコンの画面を巧みに操作している女が座っていた。



「お忙しい充お坊っちゃまが何のようですか?」



カタカタとキーボードを操作しながら、目だけを充に向ける。



「調べてほしい人物がいる」


「ふーん…誰かな?」


「最近転校してきた北條流星という人物だ」



「あーあ、生徒会長の立候補者ですかー…」


「やつに関することならなんでも良い。

これで頼めるか?」


白い封筒を手毬のキーボードのところに置く。



「………。」


手毬は無言で白い封筒を手にして、中身を確認する。



「…充お坊っちゃま…

北條流星は危険人物との噂…

これじゃあ、足りませんね」


手毬はニヤリと笑い、それ以上を求める。



「ー…ふん、守銭奴め…

これでどうだ?」


「くく、たしかに…

お受けいたしましょう」


「なるべく急いでくれ。」


「はい、了解しました」






これで、北條流星の情報が集まる…



しかし、なぜ、北條流星は俺の前に姿を現さないんだ?



警戒されているのか…?


それか、まだ、何かを企んでいるのか?



どんなやつか想像がつかない。

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