第29話

ガララッ!!!


この時、ドアはこの世で一番、けたたましい音を立てていた。



「中木ー!!!」


怒号の声色で叫び、憤激の顔で中木を見る



「ほ、宝来くー匕イイぃぃッツ!!?」



恐怖のあまり、中木の顔から正気が無くなる。



「どうなっているのか説明してもらおうか!?」



絶対零度の目で睨み付ける。


きっと、中木はこのままだと氷漬けにされてしまうだろう。



「はははh、はいッ!!!」



中木は素晴らしいスライディング土下座を充の目の前でした。



「で・・・中木先生、納得のいく説明はしていただけるんでしょうか?」


充は鬼畜の笑みで目下にいる中木を見る。




「ははっは、はい…宝来くん…やられてしまいました…」


「はあ…

どういうことですか?」



中木の返答に凄まじい怒りが眉の辺りを這った。



「いたんです。

我々と同じく、生徒に協力し、裏工作をした教師が…」


「なんだとっ!!!?」



「宝来くんと同じ…同列一位を取った…」



「まさか…!?」



「北條グループ…その跡取り息子、北條流星…」



凛とした声が理科準備室に響いた。

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