第26話

「おっと…これはこれは、真田先生ではないですか…

じっとこちらを見て、なにか用ですか?」



嫌味なほど素敵な微笑みで見てやれば、この女はため息を付いた。



「さっきの光景…宗教みたいですね」



「は??」


「……可哀想なミツルーズ達です…」



可哀想だと!?


有難いの間違いだろう!?



「真田先生は生徒を愚弄されるのが趣味なんですかね?」



メガネをくいっと上げて睨む。


勿論、ミツルーズ達には見えていない。



「…あまり浮かれて慢心されない方がよろしいですよ?」


「慢心などするはずがありませんよ」




水面下では火花が散る。



「そうですか。

後で手痛いことにならないように…充様、お気をつけください」


「フフ…あり得ない冗談は言わないことですよ、真田先生」



「敵は何処に居るか分かりませんよ?」



意味深いことを言うと、去って行った。



なんだ、あいつ…



俺が慢心しているだと!?



「フフ…敵など居るはずがない…な、春樹?」


「はい、充様、勿論です。

この日のために田中にも暗躍してもらいましたから」


「フフ、あーははは!」



高笑いが出た。



そして、時は進み、登下校前のホームルームが始まる…

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