第74話

「ハハッ、驚いたよね!

あー、店内も盛り上がってるみたいだね。

こうやって、ななみ姫の側にいたいけど、次の姫が待ってるから、ちょっと待ってね。」


「えっ…ちょっと、アフター行くなんて同意してな…?」


「ななみちゃん、付き合ってくれるよね?」


ギュッと手を握られ、子犬の様な瞳で見つめられた。


「分かったから、手を握らないで。」


「ありがと、楽しみ!

それまで…ハルに相手をしてもらうから。

ハルは俺が可愛がってる子だから、安心してね!」


「はっ?はぁ…」

微妙な表情になる。


ななみ的には見知らぬ人より、カルマの方が安心できた。


「カルマは呼ばないよ…。」


ケントはななみの考えを見透かし、睨む。

ギクっと体が飛び跳ねた。


「かっ、カルマさん⁉︎もう、ヘルプについてくれたよ?」


「はぁ⁉︎」


ケントの機嫌が一気に悪くなる。


「カルマのやつ…油断も隙もないな…。」


っち、と舌打ちしそうな勢いのとき、ハルが卓に来た。


「ケントさん、ななみ姫、失礼します。」


「ハル君来たよ?あ、ほら、いってらっしゃい!」


「ハル、カルマが来ない様に見張ってて。

じゃ、ななみ姫、待っててね!」


「はい、分かりました。」


淡々とハルと呼ばれた子は返事をした。


この子、すっごくクール…!

ななみはジロジロとハルを見た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る