第64話

「そんなもんなのかな…それも込みで楽しむの?」


「まー、ホストってそういうトコでしょ?

まさか、幼馴染みのホストくんと”枕”したの?」


「えー…あー…。」


言葉を濁すが、バレバレの反応だ。


「設楽さん、あまり言いたくないけど、本気にならないほうがいいよ?

あくまで、疑似恋愛を楽しむところ。

深く入り込まないようにしないと、抜け出せなくなっちゃうよ。」


「須藤さんの言う通りなんだけど…全くお金使ってないの。」


「ほら、そうやって色々理由を並べるけど、今から育てて、これからどんどんお金を使わされるかもよ?」


「そんな…それが目的なのかな?」


「そー、そういう業界なんだよー。

”枕”されたってことは育てかもー?」


「”育て”って?」


「ふーぞくに落とされちゃうかも!」


「え…。」


ななみは絶句する。


あの優しかった健太がそんなことを!?

私に望んでいるの!?

これはますます、本人に聞かないと…

しかし、この手口を色々な姫にやっているとしたら大問題だ。

やっぱり、考えを改めさせないと、幼馴染みとして!



「須藤さん、ありがとう。

なんか、解決したかも。」


「ふふー、いいの!

なにか進展あったら教えてねー。」


今週の金曜日、再びバリアスに居るケントに会いに行くことにした。

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