第31話

「ケント…」


ななみは不安げにケントを見つめる。


そんな、ななみに対し、ケントはニッコリと笑う。


「ななみちゃん、安心して。

俺、自分を安売りしない主義だから。

No.1はそんな事しないよ。」


「え?」


「自宅に連れ込むほど、困ってはないし。

それに、俺にも好みがあるからね。

姫たちにはホストクラブの常識の範囲内で遊んでほしいからね!」


「じっ…じゃあ、なんで私にはキスしたの…⁉︎」


「…うーん…何でだろうね?」


「こっ、答えになってないよ。」


ななみの瞳は揺れ動く。


ケントは口元を少しあげ…


「答えが知りたいなら、バリアスにおいで。」


「はぁ⁉︎」


その時ー


「ななみー⁉︎」


ななみを呼ぶ声がする。


「ナツキくん‼︎⁉︎」


ななみは正気に戻る。


ハッとななみはケントの服から手を離す。

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