第28話

「静かにして…」



抱きしめながら、言われる。



「え…」



この声は…



「健太?」


「…。」


「ケントー!何処に行ったのー!!!?」


女の叫び声に近い声が響き渡る。


「え…健太、呼ばれてるよ…?」


「シッ!」


ケントはななみをギュッと抱きしめる。



な、なんで健太に抱きしめられてるの!?

というか、健太の顔が近いよ!


鼓動がドキドキと速くなる。



「け…」



「あーもう、静かにしてて。」


低いトーンで言うと…


ケントは勢いよく、ななみの口を自分の口で塞ぐ。


「んっ!!?」


ななみの目は見開かれる。


ちゅっとリップ音を鳴らしながら、ケントはキスをする。


ゆっくりと角度を変えていき、ななみの自由を奪う。


「…っ…ん…。」


ななみから、甘い声がしだす。


「ケンっ!!!?

はぁ?!!!

っち、なによ、こんなとこでイチャイチャしてんじゃないわよ!!」


鬼の形相の女は、暗い事もあり、男女がイチャイチャしてるだけと勘違いして、暴言を吐いて歩いて行った。

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