幼馴染みはNo.1ホストになっていた
第1話
私にはもう何年も会っていない幼馴染みがいる。
隣同士の家で、幼少期から高校までずっと一緒だった。
陰キャでダサいけど、根が凄く優しくて、気が利いたっけ…
はあっとため息をつく。
今日は会社で伝票整理をさせられ、使いっ走りをさせられ、動くのがトロいとお局様にいびられた…
なんか、もう、精神がヘトヘト。
こんな日は、幼馴染みの顔を思い出す。
私が落ち込んだときにはずっと隣で話を聞いてくれていた。
あの笑顔に何度、救われたっけ?
でも、その、幼馴染みは数年前、突然、私の前から姿を消した。
スマホの番号に電話を掛けてみたけど、お決まりの言葉…
【この番号は、現在使われておりません…】
原因はわかってる。
私が彼の容姿に苦言を呈したからだ。
きっと彼は怒って私の前からいなくなったのだ。
番号を拒否するほどに嫌われて…
ああ、自分で蒔いた種じゃない!
自業自得。
でも、彼に会ったら、謝りたい…
トボトボと力なく自分の家に帰る。
「ん?」
自宅の門の前に、誰かが立っている。
モデルのようなスタイルにプラチナブロンドのサラサラコンマヘアをし、高級なブランド品を身に纏い、派手な身なりをした男が立っていた。
「え…誰?
オレオレ詐欺かな?どうしよう…。」
呆気に取られ、立ち尽くす。
プラチナブロンドのサラサラコンマヘアの派手な身なりをした男が、気づく。
目線がバッチリあってしまう。
慌てて逸らすが、もう遅い。
「ななみちゃん?」
「え…」
これは、もう危険だ!
名前も知られている。
いつから個人情報は流出しやすくなってしまったのか!?
「久しぶりだね。」
「え?」
笑顔で男は手を振る。
どうしよう…
世間は直接会うタイプのオレオレ詐欺が流行っているのか…
ななみは身を強張らせる。
「あ…俺だよ。
隣の家に住んでいた。」
「え…健太?」
「うん。
崎田健太だよ。」
「えええ!」
夜の住宅街に悲鳴が響く。
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