第72話

黒く怪しく光る扉の前に来た。


「えり様、真広様はこの中に居ます。」


「ありがとうございます。」


黒服は控えめに2回ノックをした


「何だ?」


扉の向こうから、男の野太い声がした


「大和様、真広様のお客様がお見えになりました。」


「ボスのか…今開ける。」


重圧のある扉が開いた。


中には、幹部らしき男達が7人居た。


男たちは、一斉にえりを睨みつけた。


うわっ…皆怖いよ。


初めてヤバそうな集団を見た。


えりはその迫力に絶句していた。


その中に、見慣れた姿もあった。


「あ…光………。」


光って、黒天の幹部だったの!?


初めて知る事実に驚愕した。


えりは光と目がバチッと合った。


「あ、えりさん!」


光は嬉しそうにえりに駆け寄った。


「あっ…光って、黒天の幹部だったんだ…。」


こそっと耳打ちした。


「あれ…言ってなかったけ?」


「うん…。」


「ごめん…真広さんに会いに来たんでしょ?」


「そう。」


「真広さん、えりさんが来ましたよ。」


「えり、こっちに来て。」


久々に近くで真広の声を聞いた。

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