第60話

遊園地デートから1ヶ月が過ぎた


真広からは電話は掛かって来るが、会いにくる事はなかった


会いに来ない間は、千佳のお店で中ちゃんにメイクなどを教えてもらっていた


「これは今月出たブランドの新作よー!

このアイシャドウ、キラキラで可愛いでしょー!」


中ちゃんがテンション高めで言う


「これはどう使うんですか?」


「こうやってー…」


中ちゃんにやり方を教えてもらう


うん!キラキラが光って綺麗な感じだ!


えりは満足そうに自分の顔を見た


「あんたさー、なんか、変わったわね!」


「え?」


「女に更に磨きがかかっているってことよー!」


「そうですか!?中ちゃんに言われると、努力の甲斐があったんだって、励みになります!」


「しっかり、ゆーちゃんに相応しい女になれてんじゃない?」


「ふふ、だといいな!」


「でも、ゆーちゃん達、今、とある組織とトラブってるみたいだから、大変みたいよー!」


「そうなんだ…そういうことかなって思ってました。」


「まあ、落ち着いたら、あんたに会いに来るんじゃない?」


「待つのも仕事のうちですから。」


サラッとえりはいった。


「あんた、寂しくないの?」


「………いいえ。」


えりは伏し目がちに言った


「そう。

あんた、強いのね。」


「………そう、なのかな。」


えりは愛想笑いをした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る