第10話

美桜、菜月、そして私への評価はどうなるだろう? ドキドキしてきた。


私は、私ができる最高のパフォーマンスができたから後悔はない。でも、他の2人は自分自身の最高のパフォーマンスができなくて、悔しいだろうなあ。 そんなことを考えながら、評価を3人で待っていた。


2人の手は震えていた。すこし、気まずかった。私は何も言うことができなかった。


ミオン「お待たせしました、Moonlightの評価を発表します」


ああ、胸がドキドキしてきた。 どうなるかな。うーん、まあ良くてもCクラスくらいかな?ほかの2人は、悪ければDクラスになっちゃうかもな…。


ミオン「まず、Aクラス














雪菜さん。以上です。」






…え?



うそでしょ?





きっとその時の私は、とても目が見開いていただろう。



雪菜「あ、ありがとうございます」




本当にびっくりした。びっくりしすぎた。なんで私がAクラス?という感情ばかり。 菜月と美桜は、おめでとうと微笑んでくれた。本当は不安だろうに。



ミオン「続いてBクラス …いません。

続いてCクラス …いません。」


ああ、2人はCになれなかった。 お願い、せめて次で名前を呼ばれて。 私は願っていた。2人も、願っていたと思う。



ミオン「続いてDクラス …菜月さん …」


菜月!よかった。でも、美桜は?


ミオン「… 以上です。」




美桜は、しゃがみこんだ。 泣いている声が聞こえた。



ミオン「続いてFクラス、美桜さん。以上となります。 講評をKAZUKIさんお願いします。」


KAZUKI「まず、雪菜さん。雪菜さんは全体的に安定していました。まだ未熟なところは見受けられますが、伸び代も含めてこのランクとさせていただきました。」


「ありがとうございます。」


KAZUKI「次に菜月さん。菜月さんはボーカルポジションということですが、まだ全体の声の芯が通っていませんでした。ダンスの振り間違いがあったり、ボーカルの音程が合っていない所が多かったりと、不十分な所も多かったため、このランクとなりました。


続いて美桜さん。美桜さんはラップポジションということですが、その割にはラップの基礎ができていませんでした。そして、歌詞を間違うことはアイドルとして致命的なことです。美桜さんにはもっと実力があると思います。ここから頑張ってランクを上げてください。」


美桜「…はい。ありがとうございます。」 KAZUKI「以上です。席にお戻りください。」

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