第75話

絶対に何かを知っているはずなのに、どうして何も言ってくれないんだろう?



このまま帰すわけにいかない……っ!




「河北さん!桜葉君を追いかけよ?彼、きっと何か知ってる!」




河北さんのほうを振り返りながら私がそう言った。



だけど、そこに彼女の姿はなかった。



いつ出ていったの?!




「……私一人で聞き出せるかなぁ……」




慌てて自分のカバンをつかむと、ノートを押し込んで、桜葉君の後を追った。




何か知っているのなら、聞き出さないと私もノートの呪縛から逃れられない。



それに、クラスメイトが命を落とすのはもう嫌だよ……っ!




「桜葉君!」




私は桜葉君に追いつくと、彼の腕を引っ張った。

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