第62話

「それと……」




私は首に触れながら、昨夜のできごとも話す。



赤くついた跡は、ファンデーションで何とか消えている。




ノートはどこかと問いかけてきた、あの黒髪の少女。



この黒いノートの持ち主なのだろうか?



ないってわかったら、危害を加えられたし……。




これは私が持っていなければならないの?




その時、チャイムが鳴り響き、ろうかの向こう側から担任が歩いてくるのが見えた。



私と河北さんはそろって教室へと入る。





「きりーっつ!礼!」




先生が教室に入ってくると、滝沢君が号令をかける。



いっせいにガタッと立ち上がり、頭を下げて挨拶をした。



私たちが座ると、先生は教室内を見回す。

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