窓に写るは桜色

 君は澄まし顔の女の子。笑った顔なんて見たこともない。


 いつもと違う表情かおが見たくて、僕はお笑いの真似事なんかもしてみたけれど全戦全敗。



 君は低くした声で僕に尋ねた。


「なんで私にそんなに構うの」


 僕は笑顔で君に答える。


「君に笑ってほしいから!」


 君は小さく息を呑む。



 ばか、と君は後ろを向いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る