変わったものと変えたくないもの

「んー、こんくらい?」


 彼女の細い指が俺の肩に触れる。彼女は俺を見上げてへにょりと笑った。


「だめだ、やっぱ仁くんおっきいねー。……変わっちゃうもんだなぁ」


 彼女は俺が変わったと言うけれど、彼女だって随分変わったと思う。


 それでも俺は


「じゃ、仁くん帰ろ?」


 この関係だけは変えたくないんだ。

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