ー満月の夜ー

第21話

小さい頃はよく夜中にたっかのところに来て、こうやって布団に潜り込んでいた



こうとあきらが大学に行って、私と両親と三人だけになってから、パパとママは、寝室で一緒に寝ている私を置いて、昂やあきらの部屋だったところに夜中に籠っていた。



7、8才の頃だったかな?


なんか苦しそうに呻いてる声や、すすり泣く声や、思いっきり走ってるような息遣いや、ぴちゃぴちゃ、パシパシ聞こえる音が怖くて、たっかの家に逃げ込んで、布団に入って震えていた




「どうしたんだ?」



って心配そうに聞いてくれて



「パパがママを虐めてるの」って言ったら、なぜか可笑しそうに笑って



「大丈夫だよ。二人は愛し合ってるから」って安心させてくれたんだ



震える私を抱きしめて、朝まで一緒に寝てくれた




高学年になったらさすがにその意味は分かったけど、なんか気味が悪くて夜中に抜け出して、たっかの家に良く泊まってたんだ

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