第59話

目的地に着き、宿泊予定の旅館へ宿帳を書き部屋に荷物を置いてから予定していた場所をレンタカーで廻る。


お互いの運気が上がるようにとパワースポットになっている神社で御朱印を書いてもらったり、吊り橋がある遊歩道で乙葉のビビり具合に萌えたり、ベタにロープウェイに乗って景色を楽しんだりした。


予定を組んだが乙葉さんは目の前のものに興味を持つので、予想通りの展開で全部をまわりきることは出来なかった。



一日中遊んでレンタカーを返す頃には日が海に沈みそうな時間帯で、思わず訪れた絶景に歓喜の声をあげる。





「凄ーい!海なんて久々だな~。嘘の海ばかり見てるから」


「あはは、アレね。俺も海は久々だ~。気温も下がってきたし浜風が気持ちいいね」


「うん!少し歩こう」



砂浜が不安定なこともあって自然と彼女が再び俺の腕を掴んでくる。


今日一日、彼女の柔らかい肌と指の感触にドキドキしっぱなしだった。

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