第33話 ヨミウリ王国近代化計画

 王国暦245年 12月29日 17:00


「ふぅーこんなもんでいいだろ。明日は実家に行って、この宮殿を設置しなきゃな。」


「はいダーリン♡2週間ぶりですね。たのしみです。」


「ああ、まだまだ東京王国もやりたい事は山ほどあるけど、まずは実家のヨミウリ王国の近代化。

 実質アレックス兄上の領地となる、旧マクガフ公爵領地のテコ入れが優先だ。」


「マクガフさん全部話してくれてありがとうございます。」


「とんでもございません奥方様。私はタイセー国王陛下のために残りの人生、全てを捧げる事を誓っております。私と一族の隠し財産を有効に使っていただければ本望でございます。」


「マクガフ。お前の汚れた金を、俺がアレックス兄上の領地整備に綺麗に使ってやるから安心しろ。今日はご苦労だった。」


 シユッ…無事収納…


「しかしあの悪党め5,000億エンもの""を作っていたとは、ここまでくると才能を感じるなw」


「お金もそうですけど、地下に潜った犯罪組織を全部潰せたのは大きいですね。」


「あーそれな。マクガフが構成員やアジトから、何から何まで文書に残してたからな。潰すのは楽勝だった。これで兄上の治安維持にも少しは役に立っただろ。」


「はい楽勝でした♡アレックス様の宮殿は、例のお城とかいう物で宜しいのですか?」


「あれは昔東京にあった江戸城って城だ。俺も見たことはないが、当時の図面がギフトモールで手に入ったから、建築スキルで作れた。しかし何でもありだな女神ギフトのショッピングモールはw」


「女神様ですから。私はその使徒ですエッヘン。」


「あ~使徒であり俺の第2夫人でもある。」


「ダーリン♡」


「一仕事終わったから温泉行くぞ。」


「風呂上がりの生ビールぷはぁ~ですね。」


「それだ!Go」


 **********


 翌12月30日 10:00


「父上ただいま戻りました。」


「私も戻りました義父上さま。」


「おお~ラブリー良く戻ってきたな。ゆっくりしていきなさい。自分の家だからな遠慮する事はないぞ。」


「はい、ありがとうございます。あっこれお土産です。」


 タイセーに作って貰った収納バッグから取り出す。

(容量=10億立方メートル・時間停止機能付)


 東京ドーム=124万立方メートル。ドームの806杯分

 結論=いっぱい入ります。


「おお~これは?何かな…?」


「はい、東京王国のハネダ海岸沖で暴れていた水龍の鱗です。全部で100枚持ってきました。大きいので1枚から20人分の鎧が作れますよ。軽くて魔力・物理どちらの攻撃にもビクともしません。後で防具倉庫に出しておきますね。ラブリーが1人で倒したんですよ♡」


「…そうかそうか…水龍を…クロマティ確か水龍は…」


「…国王陛下…SSランクです…しかもその鱗。3年前王都のオークションに50年ぶりに出品されまして、1枚1億円で落札されました…」


「それを100枚か……」


「いえ、その海はまだ幼でしたので鱗も小さく、3人分の防具がやっと作れるサイズと報告を受けてます…」


「……そうか……ラブリー1人で倒すなんて凄いな……攻撃魔法も使えるんだ?」


「はい、ダーリンに光魔法スキル"最後の審判✕"を授けて貰いました♡」


「……そうか……が良く分からんが……良かったなラブリー……クロマティ…少し休むぞ…」


「父上お待ちを。お約束の新築宮殿フルバージョンお持ちしました。」


「そうかまだお前がいたか…どうせまたワシの寿命を縮ませるんだろう。」


「心配ご無用。光回復致しますので。」


「ふっふははははは、クロマティ裏庭先の建設予定地に10:30集合だ。使用人含め今屋敷にいる者全員集めろ。」


「はっ、では。タイセー国王様、ラブリー王妃失礼致します。」


「アレックスも明日午後には来れるそうだ。タイセーがマクガフから巻き上げた5,000億エン。

 あれで初期どころか、中期開発の財政目処も付いたと感謝していた。」


「はい念話でも御礼を言われました。兄上に頼まれていた宮殿江戸城も完成しましたので、ここの設置が終わったら午後から翔ぶ予定です。」


「ほお、予定ではアレックスの卒業祝い来年3月のはずだったが随分速くできたな。」


「少しSPを割り振って、建築土木スキル上げたので何とか。」


「さらに人外ジンガイレベルが上がったかwそろそろ種族も半神以上になったか?」


「………」


「おい、タイセー」


「…では父上、建設予定地に参りましょう。ラブリー行くぞ。」


「うっうむ…」「はいダーリン♡」


 **********


 ヨミウリ王国オオテマチ国王屋敷・裏庭先殿建設予定地

 今現在屋敷内に居た

 タイセー両親・姉・妹の4人

 近衛騎士団120人

 陸軍特殊部隊20人

 執事メイド等使用人50人

 打合せ中の官僚他11人

 合計=205人の人達が勢揃いしていた。


「タイセー東京国王陛下お帰りなさい。」


「母上ただいま戻りました。それとここではタイセーとお呼び下さい。そうでないと居心地が悪いです。」


「そうね、でもそれは明日までよ。明後日1月1日からタイセーも正式に国王陛下に就任するわ。そうなったらと呼ぶのは当然のこと。ラブリーさんもよ。」


「でもそれは父上も母上も同じことです。ヨミウリ王国国王に王妃となられます。」


「あらそうねw慣れないわね中々w」


「タイセー。私の部屋はちゃんと渡した絵の通りにしてくれたかしら?」


「姉貴任せとけ。あれ以上の物に仕上げてやったからな。」


「やった!楽しみ~さあ早く見たいわ。」


「では父上、早速ですが宜しいでしょうか。」


「ああ頼む」


「ラブリー出したらすぐに外構工事始めてくれ。」


「はいダーリン!」


「それ!!!」


 物凄い光が、元の騎兵隊練習場だった建設予定地を包み込む。

 30秒後が姿を表した。

 縦1km横2km=200haの広大な敷地にそびえ立つ50階建てツインタワー。

 形状は1辺100mもあり1フロアーの面積1ha、高さ200mの巨大ビル。

 それが300mの間隔を開けて2棟である。


 あまりの迫力に言葉を忘れ、立ち尽くす205人の人達…

 人間本当に驚いた時は喋る事など出来ないらしい。


 その静寂を破りタイセー&ラブリー仕上げの外構工事が始まる。


「よし、スキルレンタル完了!堀の深さ幅、共に50mラブリー始めろ!」


「ダーリンかしこまりー」


「掘った土砂収納!」


 ドン!バシッ!ジュボボ!


 ラブリーがタイセーのスキルを借りて、図面通り正確に掘った土砂を、タイセーが収納していく。そこにラブリーが水を放り混む。


「次!ラブリー米国製対空イージスミサイル屋上に100基設置!俺は対地ミサイルに重機関銃、それぞれ100基配備する。」


「ダーリンかしこまりー」


 50階建てツインタワー屋上に防御用・対空イージスミサイルをラブリーが設置する。


 タイセーは防御専用20Fフロアーに対地ミサイル&重機関銃備え付ける。


 ヨシノブヨミウリ国王

「凄すぎる………夢を見てるのか…」


 カエデ王妃

「神だわ……人ごときの魔法では無理……」


 タイセー姉アジサイ

「…な…ん…で…涙が…出るのかしら…グス」


 クロマティ執事

「…安心して下さい…お嬢様…私も…止まりません……うぅぅぅ」



「まだまだ~大手門前の石橋幅20m、その他3ヵ所幅10m任せたーラブリー」


「かしこまりーーー」


「俺は攻撃用ドローン部隊地下基地を設置する。1番重要な守りの要だ!石橋が終わったら手伝えラブリー」


「かしこまりーーーーー」


 ヒュン、ドドーン、ガンガン、ザブーン


「ダーリン石橋設置完了、残すは路面仕上げのみです。」


「仕上げは後で俺がやる。次は今掘った地下に潜ってドローンを設置する!ラブリーはそこに出してる出撃用開閉式スライドドアを取り付けろ。これで完成だーー」


「ダーリン♡かしこまりーーーーー」


 ドドドドドド、ズーーンガチャ、ヒュンヒュンヒュン…………


「ふぅーーーどうだそっちは」


「はい…ダーリン無事図面通りに完了です…」


「よくやったぞラブリー」


「はいダーリン♡ビールぷはぁですね。」


「それはアレックス兄上の宮殿が終わってからだ。昼飯食ったら翔ぶぞ。」


「ラブリーはダーリンの行くとこなら、何処にでも着いていきます♡」


「当たり前だ俺たちは一心同体だ。父上いやヨミウリ国王陛下様。カエデ王妃様。ヨミウリ王国新宮殿2棟、石橋路面仕上げを残し完成致しました。(いたしました♡)」



「「………ぐすん…ううう…ポロポロ」」


「?ちちうえ…」


「義母おかあさま?」


 泣いていた…創造神の奇跡を目の当たりにした全員が…涙を流していた。


 そして

 パチパチ

 パチパチパチパチパチ

 パチパチパチパチパチパチパチパチ

 誰からともなく拍手がおき、それはすぐに拍手喝采に変わり「タ・イ・セー・ラ・ブ・リ・ー」

 タイセーラブリーコールが響き渡ったのである。

 感動の嵐でみなが涙を流しながら、幸せそうな笑顔を浮かべてるところへ


「なんだよ~ここに居たのか、みんな~」


「兄貴おかえり」


「おおタイセーも戻ってたか。それより王都から帰ってきて腹ぺこなんだが、屋敷に誰もいなくてさー」


「ぷっwwすぐ飯の話かw兄貴らしいや」


「ワッハッハハハハハー」

 空腹でツインタワーにも気付かないイチローのお陰で、みんな大笑いが始まり、その笑い声はしばらく収まりませんでした。


無事竣工おめでとうございます。

m(_ _)m

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