第67話

「ふう…ん…んっ……」


 口の中を犯す舌に翻弄されて、三浦さんから受ける快楽を覚えさせられた体は敏感に反応する。


 私も必死に応えようと舌を絡めるけど、気持ちよさで動きが止まれば三浦さんに翻弄されるだけになる。


 唇の間から収まりきらない唾液が零れた時にようやく三浦さんの唇が離され、私の体を知り尽くした手が服の中に入り込み下着も簡単に外れた。



「っ……あ……っ!」


 締めつけがなくなった胸のふくらみに手を置かれると、やわやわと形を崩すように触れられ声が漏れ始める。


「三浦さ……っ」


 軽い刺激じゃもう物足りないほど貪欲になった私の体は強い刺激を求めて三浦さんを呼ぶけど、触れそうで触れてくれない位置に顔を近づけたまま、意地悪く私の顔を見上げる。



「”三浦さん”じゃないだろ?」


「うっ…だって、恥ずかしい……」


「もっと恥ずかしいことしてんのに、名前で呼ぶ方がはずいの?」


「真顔で聞かないでぇ……」


 耐えきれずに震える胸の主張を軽く舌で舐めると口に含んだ。



「んんっ……!!」


「ほら、早く呼ばないとこのままだよ」


 もう片方の左胸の主張も指で刺激してくれるけど、いつもみたいな強い刺激ではなく、焦らすように与えてくる快楽で、これを続けられるのは正直きつい。


「うう…っ、意地悪…!ああ…!!」


「言えば楽になるじゃん」


 三浦さんの様子から名前を呼ぶまで絶対このままだし、私が言うのを恥ずかしがるのを苛めること自体楽しんでいる。



 私の目線に気付いた三浦さんが口を離して意地の悪い顔を私に近づけてくる。



 普段は優しくて甘々で私のことをすごく大事にしてくれるのに、こうやって意地悪して楽しむところもある三浦さんに、これからも私は翻弄される予感がする。



 意地悪な顔とは違う優しいキスが離れると、目の前に大好きな人の顔があって…、気持ちが溢れた。




「好き、好き…和希、さん……」






「――――……っ」



 言った後も目をそらせなった私は、動揺した後の嬉しそうな顔を見て、恥ずかしいからって拒絶しないで、これからは名前で呼ぼうって、次の言葉を聞くまで思っていた。



「真穂、俺、今日、余裕ないかも……」


「え!?」



 私の意見は聞くつもりがない三浦さんからの深いキスを受けながら、私の体は次に来る刺激に期待して蜜口が濡れ始めた。

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