恋が終わるまで⑤/波乱の予感
第19話
今日のバイトも無事に終わり、望月くんと菜子さんと、久保田さんとはせくんが待つスタバに向かう。
「望月くんもバイクに乗ってるの?」
「うん、はせの影響。あいつとツーリングしたくて、バイクの免許とったんだよね」
「本当に、プライベートでも望月くんとはせくんって仲良しだよね」
「大学も一緒だもんね」
「面識は中学ぐらいからあったんだよ。部活で他校と対戦するときに、はせがいて。あいつもエースだったから」
あいつも、ということは、望月くんもエースだったんだろうな。
「なんの部活をしてたの?」
「バスケ部」
望月くんの返事に、菜子さんと声を揃えて「なるほどー…」と答えた。
望月くんもはせくんも180㎝越えの高身長だから。
それを活かした部活をしていたってことですね。
3人で会話をしていたら、あっという間にスタバについてしまった。
2人はどこにいるかなー?と探すことなく、テラス席に座る2人を発見。
すぐに見つけることが出来たのは、2人がモデルのように絵になる動作で座っていたから。
「菜子さんの彼氏さん、改めて見るとイケメン度合いが半端ないですね」
「あいつらの近くに行きたくない…」
久保田さんも望月くん、はせくんに負けず劣らずの高身長。
私と菜子さんと身長差があるから当然の話なんだけど、腰の位置も全然違うから、足も長いし、筋肉質なのが覗く腕や鎖骨の感じから伝わるし、顔も、イケメンです。
「うちの面接基準、絶対顔ですよね」
「里帆ちゃんも受かってるんだから、自信を持ってよ」
「菜子さん、…私は親しみ枠の一般人キャラです」
私と菜子さんの会話と黙って聞いていた望月くんがいきなり吹き出した。
「三上さんってそういうキャラだったの?普通に可愛いよ」
そういって、私の顏にかかった毛を耳にかける望月くんの動作に、頭から火が出そうになる。
気のせいかな?って思う部分があったけど、望月くんからのスキンシップが増えている、かも。
見上げた望月くんは、優しい笑顔を見せていた。
菜子さんが久保田さんたちのところに向かい、声をかけた。
スマホを覗いていた2人は顔を上げて、菜子さんに「お疲れ」と返事をする。
「何を見てたの?ゲーム?」
菜子さんが久保田さんのスマホを覗きながら隣に座った。
わたしはどっちに座ろうか悩んでいると、ぐいっと腕を引かれる。
「うわ…!」
びっくりしたまま、重力のままに引っ張られた方に体が傾いて、ふわっと嗅ぎなれた香水の上にぶつかった。
「っ…!急に引っ張ったらびっくりするよ!!」
「こっちも里帆が軽すぎてびっくりしたわ!お前軽すぎ!軽い力で引っ張ったのに」
引っ張った相手ははせくん。
はせくんの方に倒れ込み、はせくんの腕の力を借りて体制を整えた。
「はせくんが痩せの筋肉質なだけだよ…力あるもん」
文句を言いながら、はせくんの隣に座ろうとすると、今度は反対の腕を引っ張られた。
「え?え…⁉望月くん…?」
急に腕を引っ張ったのは、私の後ろにいた望月くんだった。
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