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女の子が好きそうな、可愛らしい建物だった。
茶色の壁にウッドデッキ。
今日のおススメが書かれている看板は手書き。
可愛らしいイラストまで入っている。
男の子が入るのは、少し躊躇しそうな気もするけど、手越君は抵抗がないみたい。
女の子が好きそうな場所に出入りする事には慣れていそうな感じ……。
今日のおススメは、ハニーロイヤルミルクティー。
ホットでもアイスでもと書かれている。
美味しそう……!
「つぼみちゃん、行くよー」
「あ、うん!」
看板を見ていた私に手越君が声をかけてきた。
私は慌てて彼の後ろをついて、お店に入る。
その時だった。
「あ、コウキ!おっそ~い!」
「そうそう。自分から誘っておいて、遅れるなんてサイテー!」
お店の奥の方から女の子数人の声が飛んできたんだ。
遅い?
自分から誘っておいて……?
「ごめんごめん。つぼみちゃんも誘って一緒に来たんだ」
「えっ……」
ごく自然に手越君が私の腰に腕を回して来た。
「え、ちょ、ちょっと……」
そんな事をされたのは、もちろん初めて。
顔が熱くなるのを感じながら、この腕から逃れようと焦る。
「もうー、コウキ一体何人女の子誘ってんのー?」
「滝沢さん、固まってんじゃん。カワイソウ~!」
女の子たちがクスクスとバカにしたように笑うから、私は顔を真っ赤にしてうつむいた。
なんか、公開処刑をされているような気分。
でもこんな時に助けてくれるのが、イケメンだ。
期待しつつ、チラッと手越君のほうを見たら……
「そうかなー?つぼみちゃん、ゴメンネー」
女の子たちと同じようにヘラヘラと笑っている。
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