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ブレザーの内ポケットからスマホを取り出して、友達ボタンを押してみた。
「はーい!何か困った事や聞きたい事があるのかな?!」
テンションの高い美奈が満面の笑みで私の前に出現する。
「あ、えっと、九条君との親密度をどうやって上げたらいいのかな?」
「親密度を上げるには、攻略したいキャラの好きなものをプレゼントするのもいいんじゃないかな?」
九条君って指定したのに、美奈の答え方は全キャラ共通のものだった。
攻略したいキャラの好きなものをプレゼント……。
「ちなみに、普段の日に贈るよりも誕生日やクリスマスに贈った方がポイントは高いよ!」
可愛らしくウィンクをして、美奈は小首をかしげて人差し指をたてた。
ワンポイントアドバイス、とでも言いたいのか。
誕生日かー。
九条君の誕生日は、5月だから、季節を春に選択すればよかったのか……。
あ、でも、クリスマスがある!
「あの、美奈ちゃん。九条君の好きなものって何?」
「各キャラの好きなものは、スマホにあるキャラクタープロフィールで確認してみてね!」
またしても美奈の答え方は、全キャラ共通のもの。
ハハハと苦笑すると、美奈もニコニコとする。
スマホでキャラクタープロフィールがチェックできるのかぁ。
このゲーム、3人しかキャラいなかったから、3人とも誕生日だけはしっかり覚えていたんだよね。
馬渕君も九条君も誕生日無視して、季節を選んじゃったけどさ。
「あ、ありがと……」
「それじゃ、また困った事があったら呼んでね!」
手をヒラヒラさせて、美奈はパッと消えた。
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