3

……リアルにいても、私とは別世界の人間かな。



メガネで三つ編みで、学校じゃいるかいないかわからないくらい、影が薄くて。



ゲームの世界にしか興味がない私なんかじゃ、絶対に手の届かない相手だなぁ。



これだから、リアルは面白くない。




「あーあ。ゲームの世界なら、みんな私に優しいのに」




恋愛シミュレーションゲームというのは、こっちにその気がなくても、イケメンが次々と声をかけてくれる。



でもリアルだとイケメンに声をかけられる事なんて絶対にない。



私が地味すぎて、こっちからだって、声をかけられないよ。




「……」




ゴロンと転がって天井を見上げたら、ふと思い出してしまった。



幼稚園の時に好きだった男の子の事……。



『おい、知ってるか?つぼみがお前の事好きなんだってよ!』



『お前、つぼみと仲がいいもんなー?』




当時、私と一番仲が良かった男の子。



その彼に向かって、他の男の子たちが茶化すように言った。



面白がってニヤニヤしながら……。




『お前もつぼみの事が好きなんだろー?』



『将来の夢は、つぼみと結婚する事かー?!』



『バカ言うな!オレがこんなブス、好きになるわけねーだろっ!』




ブス……。ブスって言われた。



いつも優しくて、一緒に遊ぶと楽しくて。



恋と呼べないかもしれなかったけれど、私は本当に彼の事が大好きだったんだ。



でも、幼稚園の頃とはいえ、これはかなりトラウマになっちゃってる。

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