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……リアルにいても、私とは別世界の人間かな。
メガネで三つ編みで、学校じゃいるかいないかわからないくらい、影が薄くて。
ゲームの世界にしか興味がない私なんかじゃ、絶対に手の届かない相手だなぁ。
これだから、リアルは面白くない。
「あーあ。ゲームの世界なら、みんな私に優しいのに」
恋愛シミュレーションゲームというのは、こっちにその気がなくても、イケメンが次々と声をかけてくれる。
でもリアルだとイケメンに声をかけられる事なんて絶対にない。
私が地味すぎて、こっちからだって、声をかけられないよ。
「……」
ゴロンと転がって天井を見上げたら、ふと思い出してしまった。
幼稚園の時に好きだった男の子の事……。
『おい、知ってるか?つぼみがお前の事好きなんだってよ!』
『お前、つぼみと仲がいいもんなー?』
当時、私と一番仲が良かった男の子。
その彼に向かって、他の男の子たちが茶化すように言った。
面白がってニヤニヤしながら……。
『お前もつぼみの事が好きなんだろー?』
『将来の夢は、つぼみと結婚する事かー?!』
『バカ言うな!オレがこんなブス、好きになるわけねーだろっ!』
ブス……。ブスって言われた。
いつも優しくて、一緒に遊ぶと楽しくて。
恋と呼べないかもしれなかったけれど、私は本当に彼の事が大好きだったんだ。
でも、幼稚園の頃とはいえ、これはかなりトラウマになっちゃってる。
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