第18話

着ているものの中に忍ばせた

呪符を取り出し

彼女は次々現れる

妖魔を仕留める


その手さばきは

常人のスピードではなく

随分と慣れた手つきだった



それを横目で見ながら

彼は両方の手のひらから

炎のようなものを出しながら

妖魔を倒していく


なかなかやるじゃん

能力の覚醒は

確かにしてるな


でも

今まで

こんな不気味な妖魔を

次から次へと

出てくるたびに

ひとりで倒してたのか?


そう思うと

彼は胸が痛む


男尊女卑してるわけじゃないけれど


女の子に

こんなおぞましいものを

退治させてたなんて


それも

毎回ひとりで



息上がってきてるな

彼女


休んでていいのに


頑張り屋なところも

やっぱり変わらないや





彼女の呪符と

彼の焔の力で

どうにか、その日の

妖魔を倒し切った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る