プロローグ
第1話
ここは日本の中でも最北に位置する北海道。
彼は、大学一年生。
先日、入学したばかりだった。
その入学式で、見かけた、ある女子に何か惹かれるものを感じでいた。
恋とか愛とか
そんな簡単なものでは済まされないような
特別な感情?
それとも感覚?
自分でも説明しがたい想い。
この想いの理由を知りたいと彼は強く思っていた。
彼の名は
皇 湊
まだまだ成長著しい
伸び盛りの男子だった。
そんな彼は、実は誰にも教えていない
特別な力を持っていた。
幼い頃、気づいたら危険から逃れたり
霊現象に縁があったり……
兎に角、やたらと危険に遭遇する。
そのたびに、危機一髪で
危険から逃れられていたのは
単に自分の運動神経の良さからだと
思っていた。
だが、間一髪で逃れられるのは
運動神経の良さだけでも
運の良さだけでもないことに
いつしか気づくようになっていた。
そして、危険に遭遇する度に
脳裏を翳める不思議な記憶の欠片。
そんな記憶が
別に危機に出くわしたわけでもないのに
何故か、入学式で出逢った女子を見かけた時
一気に記憶が押し寄せてきたのだった。
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