第10話

そんなことを考えながら、古典の授業を受けている。


山下の古典の授業は、誰もが眠たくなるということで有名なんだけど……



俺も紛れなく、その1人だ。


今日は源氏物語をやっていた。


それにしても…………


俺は思う。


紫式部という人は、よくこんなどろどろしたものを書いたものだと。


女だからなのか?


それとも、そんな人間関係の中暮らしていたからなのか?



今日の授業は、葵の上が亡くなるシーンだ。


愛情が高じて恋敵を呪い殺すなんて、恐ろしい。


女がみんな、こうとは思わないけど


少なくとも、こういう女には好かれたくない。



まー……

今のところ、知ってる限り、女子に好きになられたことも無いんだけど………。


山下は平安時代に生まれたら、それは羨ましそうに、自分も光源氏のように、数多くの女性と恋してみたいなんて言ってたっけ。



その前に鏡見たら?

って言いたくなったけどね。


そして、俺なら、色んな女に、ちょっかい出して泣かすくらいなら、1人の人を一途に想いたいと思った。

でも



何格好つけてるんだよ?


とか言われるだろうな。

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