第64話

藍美の部屋は結婚式のものでぐちゃぐちゃだったが、かろうじて無事なベッドとお風呂場を行き来し、何とかお風呂に辿り着くことができた。


実は辛かったまとめ髪も下ろせてほっとする。


備え付けのパジャマを着て、ドライヤーで髪を乾かすと、ベッドでまた目をキラキラさせている藍美と目が合った。


「はい、愛美はそっちのベッド!」


言われるがままに、窓側のベッドに行く。


部屋のベッドはツインだが、距離が近い。


「それで!?何で弟くんと!?あ、名前なんだっけ?」


「りひと…さん」


「李人くんかー。彰人と双子ってことは、私と同い年?」


「そうだよ」


「で、何で付き合ったの!?てか、今日?!」


「うん…今日出会った…」


「え、それでそれで」


「なんか、外に出たらいて…気づいたら付き合うことに…」


あきちゃん絡みで泣いて外に出て、その流れで付き合ったことはさすがに藍美には言えなかった。


「へえぇ!なんか運命みたいだね」


「運命…」


「だって、今日出会って、付き合うなんて。しかも彰人の弟くん。びっくりじゃない?」


「まあ確かに…」


そりゃ、私が1番びっくりしている。

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