第46話

「ここ、結婚式場だったね」


そういいながら、彼の左手が差し出された。


「病める時も健やかなる時も愛美まなみを愛します」


結婚式の時のお決まりのフレーズ。


「だから俺と一緒にいてください」


ー信じていいよー


彼はそう言った。


そして待っている、

私の言葉を。


ー信じたい…


そう、思った。


彼の左手に私の右手を添えた。


「よろしく…お願いします」


彼はまるで宝物を見るような笑顔を私に向けた。


「こちらこそ!」


こうして、あきちゃんへの恋心は一旦幕を閉じ、


あきちゃんの双子の弟、李人りひととの突然の恋が始まった。


ーーー終わらない恋をしようーーー


そう言った彼の言葉が、私の耳に何度も響いていた。

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