第29話

二つ目の謎。


どうして私のことを知っていたのか。


「彰人が言ってた。自分の彼女には双子じゃないのに、そっくりな妹がいるって。自分も妹のように可愛がってるって」


妹…。


その言葉にズキッとした。


「3人で撮ってる写真を見せられてびっくりしたんだよね。彰人と付き合ってる人とそっくりで」


「3人で撮った写真…?」


「そう。多分、愛美まなみが中学生の時のだと思う。2人と制服が違ったから」


「そう、なんだ…」


言われてみれば撮った気がする。


あの時は2人のことを追いかけて、そしてあきちゃんのことを追いかけて。


ひたすら憧れを抱き続けていた時期だった。


ー懐かしいな。


戻れるなら、その時の自分に言ってやりたい。


叶わない恋を、するなって。


所詮、【選ばれない】のだから。


「それで、惚れたんだよね」


「え…?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る