第13話

「はぁ…」


いっそ会場から出てしまおうか。


化粧室で自分の顔を見つめる。


幸せそうな妹、とはどうも言えない顔。


ギリギリ体裁を保っているのは、このドレスと髪型のおかげだろうか?


アップヘアに、水色のロングスカートドレス。


しまった、とお色直しの姉を見て思った。


ー色が、被った。


今、鏡に映る自分が惨めに思えた。

姉の方が、綺麗なブルーを見に纏っていた。


全然違う色なら良かった。


また、目から何かがこぼれ落ちた。


ー止まれ、止まれ。


そう念じても、止まりそうにない。


化粧室の鏡の前で、うずくまった。


選ばれない人間だと分かっていたはずなのに。


いざ現実を突き付けられると辛くて、

惨めで仕方なかった。


好きな人には振り返ってもらえず、

まるで空気のような存在。

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