第7話

ー藍美ちゃん綺麗…!


ー羨ましいな〜彰人!


ー藍美ちゃん、ドレス似合うね。


藍美は幸せそうにフラワーシャワーの下を通る。


あきちゃんも幸せそうに、藍美の手を引く。


まるで王子様とお姫様。


物語の主人公が藍美なら、私はその家族…。


いや、家族ですらない、モブなのだ。


いつも藍美は主人公で、私は脇役。


誰からも選ばれない、そんな人間なのだ。


お父さんも、お母さんも幸せそう。


ただ1人。

私だけが場違いなようにここにいる。


ー結構可愛いパーティドレスだよ?


誰も、見ていないけど。


ーこのアップヘア、してみたかったの。


誰のために、そんな頑張ったの?

馬鹿みたい。

そんな揶揄した声が聞こえてくるようだ。


私なんて、透明人間のようなもの。


どんなに着飾っても、主役の藍美には、勝てなかった。

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