第68話

教室に忘れ物を取りに行った時だった。


この学校はセキュリティが弱いので割とすぐに学校に入れる。


だけれど、もう夜ご飯の時間に人がいるとは思わなかった。


だから、夜の教室に電気が付いていて驚いた。


ーまさか?誰かいる?


恐る恐る教室の中に耳をすます。


「う…ぅっ…」


ー誰か、泣いてる?


教室をのぞいてハッとした。


すぐに見てはいけないと思い、教室のドアの影に隠れた。


ただ1人、教室で泣いている女の子。


ハッキリと見えてしまった。


ー夏木さんだ…。


ハッキリと泣いている理由はわからなかったが、すぐに予想はできた。


元々、少し不穏なところがあったあのカップル。


とうとうこの日が来てしまったのだ。

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