第55話
「へ、返事は…できません…」
私なんか。
私なんかがこんな人と付き合うなんて、絶対に釣り合わない。
そんなの分かってる。
苦しくて手をぎゅっと膝の上で握りしめた。
俯いたせいか目から溢れてくるものが落ちそうだ。
「大丈夫です」
「え…?」
「返事はいつでもいいですから」
「だ、だから!返事ができないっていうのは、まだとかではなくて」
「なくて?」
「まだ、とかでは…」
なくて…。
「他に、綺麗な人いっぱいいるじゃないですか…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます