第33話
「あ、あの…」
スマホを持つ手が震える。
男の人と電話で何を話していいのかなんてわからない。
「ごめんなさい」
「え?」
「さっき、会社で電話が取れなかったんです。一回切ってしまったので嫌な思いをしたかなって」
そういうことだったんだ。
「まあ、ちょっとは気にしま…」
って!私また正直に!
「あっいやいや!気にしてないです!」
「本当ですか?」
電話の奥から笑い声が聞こえる。
何やってんだろ、私。
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