第20話

ーーーごめん、かんなーーー


今まで、好きになった人は、みんな、みんな私じゃない人を好きになった。


謝罪なんて聞きたくない。


そんなものいらない!


嫌な過去が全てフラッシュバックしそうだ。


「水無月さん」


身体がビクッとなる。


静かに目の前の彼の顔を覗き込むと、深田さんの顔は真剣なものになっていた。


「本当に、本当に一目惚れなんです」


「…」


信じない。


信じられない。


彼はスプリングコートの中に着ている服の中のポケットにてをいれている。


「これ…」

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