第66話

「な、なに…!?」


「いえ、あの翔太っていう男の子が好きなんですよね」


かああっと顔が赤くなるのを感じた。


「ど、どうしてそれを!」


「莉音さんを見てればわかりますよ。悔しいですけどね」


本当に笑いながらも悔しそうな顔をする天王寺くん。


「けど、翔太には、彼女がいるから…」


諦めなきゃいけないの。


それは、言葉にできなかった。

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