第62話

放課後。


もう一度彼女に会おうとした時、先客がいた。


思わずドア陰に隠れる。


昼にあった男もいる。


ーあの男…。


敵意を向けられたことは分かったが彼には彼女がいる。

だから、ライバルにはなりえないが、話の流れからある種、察することはできた。


電車の中でもそうだった。


ー莉音の、今の好きな人。


翔太、といっただろうか。


確かに俺と違ってスポーツ少年という感じでモテそうだ。


そして、莉音の幼馴染らしい。


勝ち目があるとすれば、彼にはもう彼女がいることだろうか?


保健室から彼等は出てくるだろう。


そうしたら、


もう一度彼女と話してみたい。


はやる気持ちを抑えて、玄関に急いだのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る