もう一度君と会う魔法

第49話

「あの子は王女でもない。連れ子のいるトレメイン夫人にいじめられ、突然病に倒れて亡くなったわ。当然ね。ご飯も与えられなかったのだから」


「貴方は…貴方は!助けられたんではないですか!?」


「強い魔法はいつだって歴史を変えてしまう。あの子が貴方と会えただけでも奇跡なのよ」


王女ではない彼女。


あのドレスも何もかも魔法だったというのか。


「俺は…俺はなんてことを…」


もう、彼女はいない。


この世界のどこにも。


「けど、あの子は最期まで信じていたわ。貴方にもう一度会えることを。だから私はここにきたの」


ゴクリ、と唾を飲んだ。

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